東洋医学の解剖学の歴史(2)

さて、殷という国は周という国に滅ぼされます。
その周という国が力を失い、春秋戦国時代と言われる時代に突入します。日本では弥生時代に入る頃でしょうか。
正確な成立年代は不明ですが、この頃活躍したとされる人の「列子」という書物があります。

その中に有る逸話に本物の人間そっくりの機械人形の話が載っています。
この人形の肝蔵を外すとその目が見えなくなり、腎臓を外すと腰が立たなくなり、心臓を外すと口がきけなくなったそうです。

面白いのは、現代の中医学の内臓と体の器官の繋がりがこの時点で反映されていることですね。
(専門的には肝は目に開竅する。腰は腎の府。心は舌に開竅する。といわれており非常に関係が深い。)

此の事から、当時ある程度の解剖学的な知識があったのではないかと推測しています。
只列子の成立年代が不明なこと、後世に編入された可能性もあるかとは思うので断定は出来ませんが。

さて、この次は東洋医学のバイブルとも称される「黄帝内経」という書物が出て参ります。

つづく