鍼灸症例|病院で異常なしと言われるめまい・不眠・倦怠感などの自律神経症状の改善例
by 院長 竹山悠樹published on「病院の検査では異常がないのに、めまいや不眠が続く」
「薬を飲んでも、だるさや不調が根本的に良くならない」
このような、いわゆる「自律神経症状」でお悩みではありませんか。
自律神経失調症とは、ストレスや生活習慣の乱れなどにより、体を活動状態にする「交感神経」と、休息状態にする「副交感神経」のバランスが崩れることで、全身に様々な不調が現れる状態を指すと説明されますが、実際には原因不明の症状につけられ、なんとなく納得したような、ということもしばしば見受けられると思います。
よく見られるのは、以下のような症状ではないでしょうか?
- フワフワ・グルグルするめまい
- 寝つきが悪い、夜中に何度も目が覚める(不眠)
- 突然の動悸や息切れ
- 休んでも取れない慢性的な疲労感
- 繰り返す頭痛や、胃腸の不調
東洋医学(中医学)では、自律神経の乱れを「脳や神経だけの問題」とは捉えません。普段の生活や自然界の変化、患者さんの体質などによる「気・血・津液(しんえき)」という全身を巡るエネルギーや水分のバランスの崩れとして読み解きます。お一人おひとりの体質に合わせて根本から調和を回復させることを目指します。
西洋医学的に説明される自律神経が乱れる「3つの主な原因」
自律神経のバランスが崩れる背景には、現代人特有のライフスタイルが深く関わっています。
- 精神的なストレスと感情の抑圧:
職場の人間関係やプレッシャーなど、長期間ストレスに晒されることで交感神経が過剰に働き続け、脳がリラックスできなくなります。 - 不規則な生活と過労:
睡眠不足や昼夜逆転の生活、スマホやPCのブルーライトによる視覚的な刺激の蓄積が、神経を常に興奮状態にさせます。 - 気候の変化(寒暖差・気圧):
季節の変わり目や梅雨時など、外部環境の急激な変化に体が適応しようとエネルギーを消耗し、自律神経が疲弊します。
東洋医学から見た「いわゆる自律神経の乱れ」と臨床のリアル
東洋医学では、自律神経の働きは主に「肝(かん)」という臓腑がコントロールしていると考えます。「肝」は、全身の気(エネルギー)や感情をスムーズに巡らせる役割を持っています。
1. ストレスによる「肝」の異常(肝気鬱結・肝気上逆)
過度なストレスや我慢によって「肝」の働きが滞ると、気の巡りが悪くなり(肝気鬱結:かんきうっけつ)、イライラや気分の落ち込み、喉の詰まり感などが現れます。
これがさらに悪化して熱を持つと(肝気上逆:かんきじょうぎゃく)、気が頭に突き上げ、激しいめまいや突発的な耳鳴り、のぼせ、不眠を引き起こします。加齢等による腎虚(じんきょ)等がベースになる、肝陽上亢(かんようじょうこう)や心腎不交(しんじんふこう)等のパターンも考えられます。
2. 胃腸の弱りとエネルギー不足(心脾両虚・気血両虚)
思い悩みすぎたり、元々胃腸が弱かったりすると、食べ物から十分なエネルギー(気・血)を作り出せなくなります。その結果、精神を安定させるための栄養が不足し(心脾両虚:しんぴりょうきょ)、不安感、浅い眠り、日中の強いだるさ、立ちくらみなどを引き起こします。
なぜ自律神経の悩みに、当院の「少数鍼(1〜2本)」が適しているのか?
いわゆる「自律神経が乱れている時」のお体は、交感神経が過剰に働き、常に戦闘状態にある「非常に過敏で余裕のない状態」になっている場合や、一時的又は加齢などによる体力の低下が背景にある場合もあります。
そこに強いマッサージをしたり、全身に何十本も鍼を打つことは、結果的に効果がある場合もありますが、かえって過剰な刺激となり、体をさらに疲れさせてしまうリスクがあります。
西東京市ひばりヶ丘で自律神経の不調に対応する当院では、「北辰会方式」を採用しています。詳細な問診に加え、脈診(みゃくしん)や舌診、お腹や背中のツボの反応を診る体表観察を徹底的に行い(四診合算)、不調の根本原因(証)を的確に見極めます。
その上で、必要以上の刺激を与えないため、乱れたバランスを一発で調える「最も的確なツボ」を厳選し、原則として1〜2本の少数鍼でアプローチします。最小限の刺激だからこそ、体がスムーズにリラックスモード(一般的な表現を借りれば副交感神経優位)に切り替わり、施術直後から深くリラックスした感覚を得られる方が多くいらっしゃいます。
また、少数の鍼に絞ることで、どの鍼がどのように効いたのかをフィードバックしやすいという大きな利点もあります。
【当院の改善症例】自律神経の乱れによる不調
患者様: 40代女性 主訴: 以前からのめまい、微熱、倦怠感などの症状が数日前から悪化。気候の変化で起こりやすく、ご自身で「自律神経の乱れ」を疑い、以前から気になっていた鍼灸治療を希望し来院。
東洋医学的見立て(弁証): デリケートな性格、加齢、普段の生活習慣などを考慮し、不調の根本原因は「水湿(体内に溜まった余分な水分)」よりも、「肝鬱気滞(ストレスなどによる気の巡りの滞り)」が強く出ている状態(肝鬱気滞>水湿)と判定しました。
治療方針: 理気疎肝(気の巡りを良くし、肝の働きを整える)し、水湿を巡らせることを目的に、**全身のバランスを調える最も的確な「一穴(いっけつ)」を厳選し、一本の鍼のみで施術を行いました。**併せて、ご自宅でできる飲食や運動の生活指導を行いました。
経過と結果(通院回数:週1回×5回):
初回: 施術直後にめまいが軽快。大小便の出が良くなり、体内の余分な水湿が排出され始める。
5回目: 5回の施術で主だった主訴(めまい・微熱・倦怠感)はほぼ改善。睡眠の質や寝起きもすっきりと良くなった。
現在: その後は間隔を空けつつ、体調管理もかねて定期的に来院されています。
【当院の考察】 今回の症例は「気の巡りの悪さ(肝鬱気滞)」が不調の主原因であったため、的確な一本の鍼が気の巡りをスムーズにしたことで、結果的に余分な水分(水湿)も速やかに排出され、改善が早かったと推察されます。 (※治療効果や改善までの期間には個人差があります)
※【関連ページ】
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よくある質問(FAQ)
- Q. 自律神経失調症と言われましたが、鍼灸は本当に効果がありますか?
- A. はい、非常に効果的です。東洋医学は「病名」ではなく「体全体のバランス」を診て治療を行うため、病院の検査で異常が出ない自律神経の乱れこそ、鍼灸が最も得意とする分野の一つです。
- Q. どのくらい通えば改善しますか?
- A. 症状の期間や体質によって異なりますが、当院の少数鍼アプローチでは、多くの場合、数回(3〜5回程度)の治療で睡眠の質や体調の確かな変化を感じる方が多いですが、月単位でお時間を頂くパターンもございます。目安としては、週1〜2回おいでいただくことが多いです。
- Q. 病院の薬(精神安定剤や睡眠薬)と併用しても大丈夫ですか?
- A. もちろん問題ありません。急にお薬をやめるのは体に負担がかかります。鍼灸治療でお体のベースを整えながら、かかりつけの医師と相談し、段階的にお薬を減らしていく患者様も多くいらっしゃいます。
※当院では医師の管轄である服薬に関して指導することはございません。
まとめ:薬に頼らず、心身の穏やかさを取り戻すために
自律神経の乱れによる様々な不調は、「このまま治らないのではないか」という強い不安を伴います。しかし、東洋医学でお一人おひとりの体質や全身のバランスを根本から整えれば、体は必ず応えてくれます。
原因不明のめまい、不眠、だるさなど「いわゆる自律神経症状」でお悩みの方は、一人で抱え込まず、ぜひ一度ひばりヶ丘の伝統鍼灸「鍼灸梅庵」にご相談ください。
