前回の続きです。 案外多いのが水をがぶがぶ飲みすぎて、水分がうまく捌けず、かえって体の中の水はけが悪くなって水分調整がうまくいかずに体調を崩したり、熱中症になってしまう、と言うパターンです。 また、冷房の効かせすぎにも注意が必要です。冷えによって体調を崩してしまったり、表面が冷えることによって逆に体に熱が籠もり、かえってリスクが高まる場合もあります。 クーラーをかけていたのに熱中症になった、と言うニュースが時々出ますが、こういうパターンの場合もあると思われます。 時折じわっと汗をかくようにすることも大切です。早朝や夕方などに散歩をするのも一つの方法です。 また、前回お話ししたように、消化器系に負担をかけるような事をしがちです。 これは体力を消耗し、夏バテにもつながります。また、秋に気温が下がったときに疲れが出やすくなり、体調を崩す原因にもなります。 このような夏バテや秋の体調不良の予防にも鍼灸で熱や湿気を捌いたり、消化器系統を調えておくことも有効な手段です。 西武池袋線ひばりヶ丘駅北口 東京都西東京市ひばりが丘北4-7-18-106 伝統鍼灸 鍼灸梅庵 042-422-0126 公式LINE
梅雨が明け、又猛暑の日々が続きそうです。 東洋医学的に見た夏の過ごし方を考えてみたいと思います。 東洋医学のバイブルである、≪黄帝内経≫の「四気調神大論」という所に四季の過ごし方に関する記述があり、 ”夏はすこし遅く寝て早く起き、日の光を浴びて、イライラしないように心がけること。” と有ります。 その他気をつけることとして、 ・適度な運動を行い、じんわりと汗をかくこと。 ・ゆっくり動くこと ・瓜類や豆類などをとり、体の水はけを良くし、余分な熱を取ってあげること。 ・冷たい物の飲食が増え、胃腸に負担がかかることが多いため、味噌汁、生姜など、温かい物、温める物を摂取し、胃腸の負担を軽くして冷やしすぎないようにすることも大切です。 京都などでは冷やし飴といって、水飴に生姜を煮詰めて作った物を水に溶かし、冷やした物を飲む習慣があります。エネルギーを摂取しつつ、涼を味わい、生姜の温める作用でそれを緩和するといううまい方法だと思いますが、調子に乗って飲み過ぎると太ります(笑) 西武池袋線ひばりヶ丘駅北口 東京都西東京市ひばりが丘北4-7-18-106 伝統鍼灸 鍼灸梅庵 042-422-0126 公式LINE
体位不正についてのお問い合わせが時々ありますので、記載しようと思います。 体位不正は中医学ではいくつかの考え方があります。 専門的な用語が出て参りますが、解説を交えながら書いていこうと思います。 分類はいくつかありますが、今回は医歯薬出版「エキス剤から始める中医産婦人科臨床」という本の分類をベースに解説していきます。 この書籍では 1、肝鬱気滞による物 2、脾気虚弱による物 3、腎気虚損による物 に分類しています。 一般的に1の肝鬱気滞による物は比較的早く体位転換が起こり、2,3は時間がかかることも多いですが、一概には言えません。 つづく
このシリーズは今回で最後になります。 話は中国に戻ります。 中国においても人体の正確な解剖図が欲しい、という要望はずっとあったようです。 ラストエンペラーでも有名な清の時代、西洋との交流によって中国にも西洋医学が流入してきます。 西洋医学の体系的な流入は1850年代とされていますが、その少し前、1797年に王清任という医師が解剖を行います。 当時は子供が亡くなると野原において野犬に食べさせると言うのが一般的でした。現代の感覚からするとむごいように思われるかもしれませんが、これが当時の風習だったようです。 その食い荒らされた死体を解剖し、又どうしても横隔膜の位置が分からず、西洋の軍医に聞くなどして完成させたのが「医林改錯」と言う書物です。これが出来上がったのが1830年とされていますので、33年を費やしたことになります。そう考えると前回お話しした山脇東洋の蔵志は環境にも恵まれかなりスムーズに制作されたといえます。 専門的になりますが、医林改錯に載っている胃の図を見ると総胆管(胆嚢から十二指腸に出ている管)なども記載されており、非常に精密な解剖であったことが伺えます。 その後の西洋医学の流入を受け、中国伝統医学の中にも西洋医学の考え方が取り入れられたりもしています。 東洋医学においては解剖できない中での医学の発達は西洋とは違う方向に進んでいきました。(西洋でもそれなりに解剖はタブー視されていました。) それが蔵象学、と言う考え方で有り、内臓生理と解剖学を複合させ、独自の世界観を気づいていくこととなります。 この蔵象という考え方については又項を改めてお話しできればと思っています。